アメリカ滞在10年間のサバイバル日記

アメリカと英語に魅せられた女性の滞在10年間のサバイバル日記

率直に日本に対するアメリカの歴史を教える-アメリカの大学

 

アメリカ ホワイトハウス

ワシントンDCのホワイトハウス

 

私は、歴史はそれほど得意でなかったんですが、アメリカの大学で第二次世界大戦辺りの歴史の授業を取りました。そのなかでも、かなりセンシティブな内容と思われる、広島、長崎の原爆投下の背景についても、アメリカ人生徒と一緒に講義を受けたのですが、さて、授業の様子はどうだったでしょうか?

 

本日は、ちょっと日米間ではタブーと思われそうな、このトピックについてルポ!

 

第二次世界大戦と原爆についての講義

 

まず、本題と離れますが、私が講義を受けたこの歴史の教授は、女性で、ちょっと取っつきにくい感じのところがある教授でした。

その日は、このちょっと冷たそうに見える教授から、日本のパールハーバーの侵略あたりから敗戦までの歴史を習う予定。私は、アメリカ人学生からの少々ネガティブな反応や原爆投下を正当化するコメント等耳に入ってきたらイヤだなとか、こちらは日本人としてどういう反応をしたらいいのかなど気になり、少々緊張をしていました。

 

その講義のクラスには、私も含めて3人の日本人留学生が・・・。

 

さて、臆病になっていた私の予想に反して、その歴史の授業は教授が淡々と史実を語っていくスタイルで行われていきました。

 

ドイツ・イタリアとの同盟の裏話も

 

講義のはじめ辺りは、ドイツ・イタリアが同盟(1940年の三国同盟)を結んだ日本との関係を説明。同盟は結んだものの、ドイツ、イタリアは、非白人である日本人に対して差別的感情が無かったわけではなく、軍事上の理由のみからの同盟だったという、日本人にとってはあまり面白くない事実も語られました。

 

そこで、アメリカ人生徒側からは、笑い声(苦笑ぎみに)が。

 

一瞬日本人である私達は、ちょっとイヤな気持ち。アメリカ人生徒も私達が日本人だというのは分かっているはずですから、ちょっと気にしても良さそうなのにと思わなくもない・・・。

 

ですが、そこが率直なアメリカ人。史実は、史実。私達日本人の顔色も、さして伺うことなく、講義は進められていきました。

 

原爆の開発とその使用の是非

 

次に1941年のパールハーバーの日本の侵攻、結果、約2400人の米軍兵が亡くなった話へ。

 

話はその後、ドイツへの驚異からの原爆の開発の話へ。ドイツが先に原爆を手に入れるのを恐れていたアメリカは、原爆を作る計画を進めます。

 

その後、1945年5月にドイツは敗戦し、その驚異は無くなったものの、アメリカは依然、日本への原爆の投下にこだわったということだそうで、その辺りのアメリカ国内での賛否や葛藤が教授の口から語られました。

 

私がかなり驚いたのが、ドイツへの恐怖から科学者達、自らが原爆を作ったものの、その頃既に弱体化していた日本に使うのはどうかということで、“嘆願書”まで作った科学者達がいたということ。

 

結局、それらの科学者達は、必死に原爆投下を止めようとしたものの、アメリカ政府にその願いは聞き入れられなかったという・・・。

 

酷な歴史に対する生徒の反応は?

 

さて、その辺りのクラスでの雰囲気はというと、その科学者が嘆願書を作るのに奔走するところとアメリカ国内での賛否や葛藤が、講義のクライマックス。

 

アメリカ人のクラスメイトと留学生の苦悶の表情・・・。

しっかりと、しかし淡々と状況を説明する教授。

 

最後に、1945年8月の広島での原爆の投下、続いて長崎での原爆の投下、各市での死者数、負傷者数、惨状が次々と読み上げられ・・・、クラスの生徒全員黙ってしまい、室内は、

 

“シーン・・・。”(泣)

 

センシティブな日米の歴史も気にせず講義に臨もう

 

日本って敗戦国だし、今では同盟国であるアメリカに対してはやはり、“Love&Hate”的な感情は、心のどこかにあるかもしれないですよね。史実を聞く度に、心は傷むという意味で・・・。

 

ですが、この講義で”原爆投下“の話を聞いたときに、やはりクラス全員が一様に悲しい表情となり、その後”絶句“したときには、やはり、国は違っても同じ心の傷みを感じる人間同士なんだな~と心に深く刻んだものでした。

 

市民レベルでは、皆思いは同じなんですね。

 

アメリカの大学ではこのように、日本サイドからの見識だけでなく、あちらで残っている史実をそのまま学ぶことができるのも魅力ですよね。

 

また、アメリカ人はこういう講義のときでも、歴史上は敵対国であった日本の学生に変に気を使ったり、あるいは反発や差別の気持ちを見せたりもせず、率直に議論などもしてくれますので、変な固定概念は捨てて講義に臨むといいですね。

 

では、こんな感じで、アメリカでの学びも、是非楽しんでくださいね!

 

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